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アカシアの樹の下で  太陽王ラムセス5 [歴史(海外)]

タイトル    アカシアの樹の下で
作者     クリスチャン ジャック

(あらすじとデータ)

ついにヒッタイトとの和平を結んだラムセスだったが、
その鎹として、ヒッタイト皇帝の娘を第一王妃に迎えるよう要請を受けて
戸惑う。
エジプトの第一王妃とはファラオと供にエジプトを治める者であり、
エジプトを治めるということは、エジプトの神秘世界を司ることと
同義語だからだ。

ネフェルタリ亡き後、第一王妃となっていたイリスは、
自分の存在がヒッタイトとの平和に水を差しているのではないかと悩む。

そして、
政権で敗れたヒッタイト皇帝の甥ウルヒテシュプはラムセスへの殺意を抱き続け、
殺された魔術師の弟は復讐に燃えていた。

平和を目前にした最後のゆらぎ。
無敵のラムセスにも老いはやってくる。


太陽の王シリーズ最終巻。


(私はこう読んだ)

エジプト史の中でも屈指の有名人ラムセス二世ですが、
神殿をいっぱい作った王様ぐらいにしか知らなかったので、
大変面白かったです。

普通に普通の小説で「神話」をやっているので、
戦いのシーンとかが、たまに凄く派手なことになってて
嬉しくなります。

エジプトの宗教観が分かりやすいのも有難いところ。
日本も同じ多神教文化ながら、
エジプトの神様世界はマアトと呼ばれる哲学的戒律のうえに
成り立っているので、より厳格な印象。
その性格はずいぶんと違うように思われます。
そして、そのエジプト独自の世界観が、やはり本書の読みどころ。

なにしろ、
エジプト万歳。
ファラオ万歳。
の姿勢が徹底しています。
古代エジプトがヨーロッパ文化において
一種のユートピア的な位置づけにあったことを
否応なく思い出させるほど。
いっそ気持ちが良いです。

また、エジプト的な神の世界観を、そのまま神秘的なものとして
描いたのに対して、
十戒で有名なモーゼが起こしたとされる奇跡については
真っ向から否定。
「科学的」に読み解いているのも特徴的で、
興味深く読みました。

それぞれが自分の本質を生きることが、
エジプトの豊饒であるのであって、
モーゼが救世主であることを認めちゃったラムセスの葛藤は
ハッキリ言って、萌えです。

でも、私はアメニが可愛くて好きだなあ。
ラムセスの学友で、ずっとファラオに仕えるんだけど、
チビで、ヤセの大食らいで、愚痴っぽいけど有能な書記なの。

そう、この物語のもう一つの読みどころは、
ステキに分かりやすい人間関係です。
特に、親友たちが良いんですよねえ。


とにかく派手で力強い作品です。
読むとエジプトに行きたくなります。



太陽の王ラムセス〈5〉アカシアの樹の下で (角川文庫)

太陽の王ラムセス〈5〉アカシアの樹の下で (角川文庫)

  • 作者: クリスチャン ジャック
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2000/01
  • メディア: 文庫



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