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ポドロ島 [海外ファンタジー]

タイトル    ポドロ島
作者     L・P・ハートリー


(あらすじとデータ)

怪奇古典の名手ハートリーの短編集。

・ポドロ島…無人島の猫を殺して
・動く棺桶…マニアのための、殺して収納もできる棺桶
・足から先に…誰かの死体と出てゆく少女の幽霊
・持ち主の交代…屋敷を閉め出されて、多重もしも遊び
・思いつき…悪魔に懺悔
・島…愛人の夫とディナー
・夜の怪…後ろ姿の男と夜警
・毒壜…生類憐れみの令を知らずに昆虫採取したら
・合図…隣の部屋から妹が壁を叩くはなし
・W・S…ハートリー版ダークハーフ
・パンパス草の茂み…背の高い草を透かして見える人影
・愛し合う部屋…パーティーで居眠りしてたら娘を見失い


(私はこう読んだ)

異常に「動く棺桶」が好きで、
異常に「持ち主の交代」が変!
そして、異常に「合図」が怖かったです。
ハートリー、やっぱり面白いです。



ポドロ島 (KAWADE MYSTERY)

ポドロ島 (KAWADE MYSTERY)

  • 作者: レズリー・ポールズ ハートリー
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2008/06
  • メディア: 単行本



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木でできた海 [海外ファンタジー]

タイトル    木でできた海
作者     ジョナサン・キャロル


(あらすじとデータ)

かつて手に負えない不良だったフラニーは、
いまは故郷で警察署長になっていた。
現在の自分に満足する彼は、
家族を愛する心温かい男だ。

保護した老犬を看取り、埋葬してやったはずが、
犬は生き返り、彼のもとに帰ってきた。
喧嘩ばかりしていた夫婦は失踪し、少女の死体は言葉をしゃべる。
それら、奇妙な出来事のまわりに符合のように現れる奇妙な羽。

しかし、すべてはまだ始まったばかりだったのだ。


「蜂の巣にキス」「薪の結婚」に続く、クレインズ・ヴュー三部作の三作目。


(私はこう読んだ)

ジョナサン・キャロルの作品を読むと、
いつも、もの凄く上手い歌い手が、鼻歌を歌っているのを連想します。
軽やかで、
力みがなく、
無意識に出てきてる物語、みたいな。

キャロルが本当に鼻歌まじりに書いているとは
決して思わない(だったら、もっとたくさん数を書いているだろうし、
こんなに仕上がりがキッチリしているわけもない)けれど、
この鼻歌感は大事なところで、
読み手に心地好いミスデレクションを与えてくれる、
キャロル独特の味になっているように思います。

本書は、宇宙人も出てくるSFで、
タイムパラドックスも扱っているわりには、
キャロル節ともいうべき鼻歌感のおかげで、あんまりSFっぽくはなく、
気がつくと、人生讃歌の物語なのであって、
死んだ父親と握手なんかして、
(相変わらず父ちゃんがスキなんだなあ、とか)
ウッカリ泣かされたりもするのです。

若干のネタバレをしてしまうと、
時間軸の違う自分と接触する話で、
自分自身と対面するなんて、考えただけでゾッとするので、
ホラーだわ、と単純に思うのだけれど、
読もうと思えば、心理学的に自己受容の物語にも読め、
神学的にも、小難しく読もうと思えば、いくらでも難しく読めますが。
キャロルの読み方は、たぶん、ふわっとしてスパイスの効いたスフレを
食べるようであっていいんだろう、と思ってます。

本書はこれまでの作品と比べると、
勢いは劣るものの、
分かりやすく統合されているので、
これはこれでアリかな、と思いますし、
ネタの可愛らしさは健在で、満足しました。


木でできた海 (創元推理文庫)

木でできた海 (創元推理文庫)

  • 作者: ジョナサン・キャロル
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/04/20
  • メディア: 文庫



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ジェローム神父 [海外ファンタジー]

タイトル    ジェローム神父
作者     マルキ・ド サド


(あらすじとデータ)

他人の苦しみが自分の快楽である強姦強盗殺人鬼が、
同好の士に奨められ、
神父になって、
修道院の組織的な鬼畜ハレムを満喫する話。


(私はこう読んだ)

ジャケ買い以外のなにものでもない…
中身を開かずにはいられなかったっす。
この内容に、この絵、このロゴじゃあ、不可抗力でしょ。

挿絵の会田誠は私のツボではないけれど、
衝撃的に分かりやすいエロで、
やっぱ、上手いよなあ、と思って。

もっとも、本文は例によって悪徳が栄えちゃってる世界ですが、
さすが、鬼畜モノの御本家、
シャレが見当たらず、息苦しいです(笑)
これだけ本気だと、サドの世界観における
「足りなさ」加減が目につきますが、
「美味ちゃん」の挿絵にずいぶん助けられてるなあ、と思いました。
結局、書籍としてのコーディネートデザインにヤラレタってことかも。

だって、物語自体はとくになく、
ただただ鬼畜に犯りまくるだけの、退屈な小説です。
腕力さえ必要のない暴力なんて美しくないし。
型としては分かるけど、別にカッコよくないし。
文章は読みごたえあるから、お文学として読めるくらい。
きっと格調高いブックデザインだったら
辟易する以前に、手にも取らなかったでしょう。

でも、読んで見れば、
その尋常でないやりかたを丁寧に書いて、
異様な熱気は興味深く、
さすがに古典の底力というか、
カリスマと言われるだけのものはあると分かります。

だって、翻訳は渋沢龍彦。
よくよく「これでもか」な企画です。
どうも私は、こういう恥ずかしいくらい狙いがハッキリしている本は
嫌いになれないんですよねえ。
渋沢の解説が痛々しくて、これまたステキ。



ジェローム神父 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)

ジェローム神父 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)

  • 作者: マルキ・ド サド
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: 単行本



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ヒストリアン [海外ファンタジー]

タイトル    ヒストリアンⅠ・Ⅱ
作者     エリザベス・コストヴァ


(あらすじとデータ)

少女の見つけた奇妙な本。
父の書斎で見つけたそれは、
魅力的に古く、
いわくありげな書類が挟まれ、
真っ白なページに、竜の挿絵がただひとつ。

秘密のにおいのするその本について父が語ったのは、
父の若かりし日の物語。
奇妙な本が書き立てる欲望。
知識欲という業の、不可思議な糸に導かれた学者たちの
行き着く先は、かのウラド・ツェぺシ、ドラキュラの墓探しだった。
歴史ではルーマニアのスマゴフ湖に眠るとされているが、
そう、ドラキュラは不死者として、現在も存在しているのだ。

父と同じように謎の本を手に入れていた教授は、
父にそのことを打ち明けた夜に失踪した。
教授を探すため、本の謎に取り組むことにした若き日の父に
不死者の影は迫るのだった。

そして、父の話を聞く娘もまた、不気味な気配を感じていた。


ホップウッド賞受賞作。


(私はこう読んだ)

すっごくステキー、と思って読みました。

立派な本棚を持っていて「全部スキに読んでいいよ」って言ってくれるパパ。
オタク少女の夢でしょ、これ。
しかも、ヨーロッパのいろんな都市を連れて歩いてくれて、
遺跡なんぞを見ながら、
「君はいかに特別か」という物語を
怯えながら(萌え!)語ってくれるパパなんて!
それも吸血鬼ネタ!
たまらんですよ。

オタク少女の夢だから、ご都合主義だけど、それでいいのダ。
ウンチクがめんどくさい、ゴシック・コンプレックスまる出しな感じが、
これまた良いのダ。

うんざりするほどリリカルなんだけど、
そのうんざりするほどの少女趣味に没頭して彷徨うのが
正しい読みかただと思われます。

歴史ミステリーとしては甘いし、
ホラーとしては極甘。
紀行モノとしても、焦点がぼやっとしているのは確か。

でもね。でもね。
その全体的なモヤッと加減というか、
実体のない感じが、この作品のキモだと思うのです。
だって、オタク少女の夢だもの。
妄想のオカズになる程度のリアリティなんてものは、
こんなところで良いんじゃないかな、と。
あんまり生々しいのとか、
あんまりガチに怖いのは
オトメ向きじゃないでしょ、やっぱり。

もっとも、後半がイマイチ面白さに欠けるのは、
ロマンスの過剰さだと、個人的には思っています。
パパママの物語はともかく、
女の子のパートナーはいらなかったんじゃないかなー、と。
男の子のお行儀が良すぎてつまらないんだもん。
そんなハンパにお子様ランチな男、いるか?と、
こぶしを握り締めた読者は私ひとりではないはず。

だいたい、お一人さま行動なら、
いろんなことがちゃんとスリリングだったのに。
でもって、もっとちゃんと吸血鬼に食指を動かしてもらわないと!

おかげでドラキュラとの絡みが少なく、
出生の秘密が生きてこないのは残念でした。
だから後半のホラー度が低いんだと思うんですよねえ。
(いや、ドラキュラがオヤジ趣味なのが悪いのか?)

でも、そのへんのヌケっぷりが、バカ本っぽくていいのかな?とも。
もっとも、バカ本としてカウントするには
やや完成度が高すぎる気もするんですが。

広く、浅く、バランス良く、なんちゃってぶりが加減良く、
構成がカチッとしているので読みやすいです。
水戸黄門なみの分かりやすさと予定調和で、
たいへん楽しく読みました。


ヒストリアン・I

ヒストリアン・I

  • 作者: エリザベス・コストヴァ
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2006/02/22
  • メディア: 単行本



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ウィンター・ムーン [海外ファンタジー]

タイトル    ウィンター・ムーン
作者     ディーン・R・クーンツ


(あらすじとデータ)

犯罪の街・ロサンジェルス。
キレたヤク中と銃撃戦をして、負傷をした警官。
思わぬ遺産で田舎の農場を手に入れた彼は、
家族とともに農場に移り住むことにした。
その農場の裏の森に、
なにか悪意のあるモノが潜んでいるとは知らずに。


(私はこう読んだ)

子供や老人の扱いが、クーンツには珍しいような印象がある作品でした。
バケモノとかも、どっちかというとキングの作品にでも出てきそうな感触で。
味つけ的に「ステキな恋人に出会う」という
クーンツ的お約束ファクターがなくて、家族モノだからだな、きっと。

でも、まあ、クーンツはさすがに面白いです。
子供は可愛いし。
動物は怖いし。

タネがよく掻き混ざってない感じとかも、
作品としてはキメが粗いのかもしれないけど、
読み手としては、そこも込みで面白いなあ、と。


ウィンター・ムーン〈上〉 (文春文庫)

ウィンター・ムーン〈上〉 (文春文庫)

  • 作者: ディーン・R. クーンツ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1995/12
  • メディア: 文庫



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