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蝶々喃々 [ファンタジー(日本)]

タイトル    蝶々喃々
作者     小川 糸


(あらすじとデータ)

日本古着を商う20代女性の日常。


(私はこう読んだ)

激しく乙女チックな話です。
主人公はもちろん、
主人公の恋人も大変な乙女っぷりでビビります。
読んでて恥ずかしいのは、
私も乙女だからっすかねー。
これだけ正々堂々と少女趣味だと、
いっそ、うらやましいくらいです。

ほっこりと優しく可愛らしい一冊。
乙女の妄想として正しい。

個人的には、土地勘のある日暮里周辺の話だったので、
共感を持って読みました。


喋々喃々 (ポプラ文庫)

喋々喃々 (ポプラ文庫)

  • 作者: 小川 糸
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2011/04/06
  • メディア: 文庫



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神々の山嶺 [ファンタジー(日本)]

タイトル    神々の山嶺
作者     夢枕 獏


(あらすじとデータ)

「そこに山があるから登るのだ」の名句でも有名な
登山家ジョージ・マロリー。
マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、というのは、
登攀史上最大の謎である。

カメラマンの深町が、カトマンドゥの裏街で手に入れた古いコダック。
それはマロリーのものである可能性があった。
もし、そうならば彼のエヴェレスト登頂の記録も残っているかもしれない。
カメラの過去を追う深町。

その持ち主は伝説の単独登攀者、羽生丈二であった。
深町の興味は羽生へと動く。
日本人である羽生がネパールに根を下ろし、
「ここに俺がいるから登るのだ」というほどに、
山とは分かちがたく生きている男が、
いったい何をもくろんでいるのか。


第11回柴田錬三郎賞受賞。
谷口ジロー漫画化原作。


(私はこう読んだ)

素晴らしいです。
圧倒的な恋の物語でした。
基本的に山岳小説というのは、山頂を恋する物語なんだと思うのだけれど、
山男が恋するのは単に山なんじゃなくて、
自分が立つ地球を含む宇宙、それを感じる自身の生なのだというような。

とにかく、ヒーロー像が圧巻です。
カリスマ登山家のキャラクターが凄い。
密度が濃い人物像で、ドキドキします。
特にベースキャンプでの主人公との対話のシーンは
ドキドキを通り越して、悶絶もの。
主人公と一緒に羽生に恋したもの。

そう、本当に、この羽生という登場人物は本書の核と言っていい。
女としては惚れられないけど、
読者としてはカンペキやられたですよ。
恋愛対象にはならないけど、
どうにもならない部分で惚れずにはいられない、
そういう破壊力があります。
山という圧倒的なものに釣り合うという設定に置かれた人間に相応しい。
この文法でいくと、山に恋するのと、このカリスマに恋するのとは等しいです。

まあ、これにドキドキしているあたり、
根本的に私が腐女子になれないあたりではあります。
カリスマも主人公もオヤジだしね。

本書はオヤジの青春小説としても読みでがあります。
不惑とは本来、惑う年代なのだということを、しみじみと思います。
カメラマンである主人公は、同行したエベレストで
山仲間の転落場面を撮ってしまったというトラウマをかかえていますが、
人間、四十代にもなれば、
普通の暮らしをしていても大切な人を、一人や二人失っている人も多いはず。
身近な人間の死を蓄積して、初めて始まる青春の生き方というのも
私はあると思うのです。

山という対象だけでなく、あらゆる極限に向かう姿を描いて、
結局はキチンと人間の物語なのです。

総合して、結構泣けましたよ、私は。
むしろ号泣。
特に下巻の最後半分はイッキ読みですし。

ミステリー仕立てな導入なので、
そのつもりでアクション多めの推理小説を期待して読み進むと、
がっかりする可能性はありますが。

私は読んだばかりの「人間はどこまで耐えられるのか」の続き的に、
エベレスト無酸素登頂モノとして読んでいたので、
個人的にはあんまり違和感なく、
息苦しくて、寒くて、怖い場所に行く、情熱の物語として読みました。
いやあ、寒いのに暑苦しくて濃密でした。

ズバリ、名作です。
名作と呼ぶに相応しく、文章で体感を得られる作品です。
アイゼンの下でジャリジャリした氷が砕ける足の裏の感触とか。
叩きつける風が頬をビリビリ殴ってくる感じとか。
私自身はたまにハイキングをする程度ですから、
山屋がやるような山は知りませんので、想像に過ぎないのだけれど、
肌感覚が「よみがえる」感じがするのは、本当に凄いです。

夢枕獏って、やっぱりこういう小説を書ける作家だったんだなあ、
という感動も含めて。
熱気のある、たいへん面白い小説でした。


神々の山嶺(上) (集英社文庫)

神々の山嶺(上) (集英社文庫)

  • 作者: 夢枕 獏
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2000/08/18
  • メディア: 文庫



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鳥葬の山 [ファンタジー(日本)]

タイトル    鳥葬の山
作者     夢枕 獏


(あらすじとデータ)

・柔らかい家…いろいろ出てくる迷い家モノ
・頭の中の湿った土…吸血鬼母子モノ
・鳥葬の山…チベットの葬儀
・閑古鳥…初めてのお父さん
・あやかし…怖いおばさん
・超高層ハンティング…作られた人類たちの超能力バトル
・羊の宇宙…子供と語る宇宙論
・渓流師…おっきい魚を釣るはなし


(私はこう読んだ)

個人的には、いろいろ懐かしい気分にさせてくれた
作品が多かったような気がします。
「頭の中の湿った土」は浪蘭幻十を連想しちゃったし、
「超高層ハンティング」は「狼少女ラン」を連想。
そして、変なのがいっぱい浮かんでる「柔らかい家」では、
すごーく久しぶりに「猫弾きのオルオラネ」を思い出したりもしました。
オルオラネほどのリリカルな作品は
さすがにないけど、
どれもカワイイ度は相変わらずなのかなあ、と。
あ。
羊飼いの話はちょっとリリカルかな。
この話も可愛くて好き。
あと、お母さんとかおばさんとか、
年上の女性が何となくエッチい感じがいいなあ。
これも相変わらず。
なんだかホッとします。


鳥葬の山 (文春文庫)

鳥葬の山 (文春文庫)

  • 作者: 夢枕 獏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1993/12
  • メディア: 文庫



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ちょんまげぷりん [ファンタジー(日本)]

タイトル    ちょんまげぷりん
作者     荒木源


(あらすじとデータ)

180年の時空を越えてやってきたお旗本。
現代の悩める母子家族に出会ったことで、
天才的な料理の腕前を開花させた。
そして、お江戸の常識を貫くことで、
サムライは人々の心を動かしていくのだった。

2010年夏、映画化。
http://www.j-storm.co.jp/movie/c-purin/index.html


(私はこう読んだ)

文句なしに可愛いです。
ポップで、しかも文部省が推薦してもいいくらい健全で。

前ーに、映画の予告を見て気になってました。
思っていた以上に原作が楽しいので、
チャンスがあったら映画も見たいと思います。


ちょんまげぷりん (小学館文庫)

ちょんまげぷりん (小学館文庫)

  • 作者: 荒木 源
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/02/05
  • メディア: 文庫



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症候群 [ファンタジー(日本)]

タイトル    症候群
作者     西村 寿行


(あらすじとデータ)

・症候群…人間をカップル飼いする老人
・べし見の貎…猿にレイプされるはなし
・魂魄さながら幽鬼なり…男性器を切除した夫の強迫観念
・馬鳴神…出稼ぎ村の子供たち
・濁流は逝く者の如し…多摩川人魚伝説


(私はこう読んだ)

マイ・バカ本のカリスマ寿行先生の短編集でございます。
短編だから読みのがしてたらしく、
しかも、うち2本は徳田左近モノじゃあございませんか。
大儲けした気分でございます。

なんだこりゃ、なシュチェーション。
なんだこりゃ、な展開。
そして、人間のイキモノとしてのケダモノな業を描き出そうという、作家のなんだこりゃな熱気には、改めてうならされました。
寿行先生はやっぱり私のカリスマです。


どうでもいいコトですが、
徳田左近がいつも飲んでいる日本酒の粉末ってホントにあるの???

作中設定では「酒税法の関係により一般流通していない」ことになっているんだな、これが。
なんだこのいいわけっぽい設定わ。
そんなにしてまで登場させたかった粉末日本酒。
あったら確かに素晴らしい。
特に登山するひとには夢の飲料かな、と。
だって、頂上で乾杯したさに、
(比喩じゃなく)背骨が曲がるほどビールを背負って
山に登るおじさんを、私は知っている。
もし、ホントに粉末日本酒があって、
山の清水なんかで溶いて飲める、なんてことになったら・・・
ロマンだわあ。
ないと思うんだけど、世間はあなどれないから、
もしかして、あったらいいな、粉末日本酒。





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